ようこそ、秘密の隠れ家「鹿迷館」へ。
この隠れ家には、お母様との間に「言葉にできない違和感」を抱え、長年一人で悩んできた長女の方々が静かに訪れてくださいます。
「母はなぜ、私にだけあんなにも感情的だったのだろう」
「もしかして、私は母から可愛く思われていなかったのだろうか」
今夜は、長女症候群の背景にも深く関係する、母親が抱く「長女への複雑な感情」についてお話しいたしましょう。
1. 「父との関係」だけでは説明がつかない母のイライラ
子どもの頃、お母様の感情の起伏が激しかったり、急に冷たい態度をとられたりした時、「きっとお父さんとの夫婦仲がうまくいっていないせいだろう」と自分を納得させてはいませんでしたか?
けれど、大人になり少し離れた視点から振り返ってみると、ふと恐ろしい疑問が浮かぶことがあります。
「もしかして母は、私の存在そのものに生理的なイライラを感じていたのではないか」と。
実は世の中には、「どうしても長女が好きになれない」「娘に対してイライラしてしまう」と密かに悩む母親たちが存在いたします。 そのことで苦しんでいる母親もたくさんいらっしゃいます。
そして、特に同性である「長女」に対してだけ、無意識のうちに厳しい態度や冷ややかな視線を向けてしまうケースは決して珍しくないのです。
人の感情とは実に厄介です。
2. 冗談の裏に隠された「女としてのやきもち」
あくまでもひとつのケースとしてお話いたしますが、私は子どもの頃、母からこう言われることが何度かありました。
「お父さんはあんたたちには優しくて良いわね」 「あんたたちばかり可愛がられて……」
当時は「まさかお母さんが私に嫉妬するわけがない」「ただの冗談だろう」と笑い流していたかもしれません。
しかし、同性に対して人一倍厳しいタイプのお母様の場合、父親(夫)が長女を可愛がる姿に対して、無意識のうちに「女としてのやきもち」や対抗心を抱いていた可能性があるのです。
父親から愛される長女の姿が、自分には与えられなかった優しさに見えて面白くない。 そうした母親自身の未消化なコンプレックスや幼さが、長女に対する「可愛くない」「素直になれない」という歪んだ感情となって表れてしまうのです。

この小さな小さな記憶が、後々までずっと引きずってしまい、体調にまで影響してしまうことが実際にあるのです。
3. 母の感情を理解しても、まずは自分の感情を第一に

母親のそうした暗い感情に気づいた時、胸が締め付けられるようなショックを受けるかもしれません。 「私は愛されていなかったのだ」「母の嫉妬の犠牲者だったのだ」と極論に走ったり、落胆やドロドロとした恨みが湧き上がってくるのも当然のことだと思います。
ご自身の悲しかった気持ちや、お母様への不信感を正直に認めてあげることは、心の整理においてとても大切なプロセスで、そこに嘘をつく必要はございません。
お母様が抱えていた嫉妬やイライラは、どこまでも「お母様自身の心の問題」であり、幼かった貴女には何の責任もなかったのですから。
子どもの心は本当に優しくて、自分が少し嫌な思いをしても、お母さんを悪くは絶対に言わないのです。自分の本当の気持ちには蓋をしてしまうもの。
全面的に母の味方をする小さな勇者。その姿には涙が出ます。
大人になった今なら、「母にも未熟な部分があったのだな」と冷ややかに理解できます。
自分が受けた悲しみという感情にも気づきます。
あのとき自分はああ言われてちょっと悲しかったんだ・・・と。
まずは気づいてあげることができれば、それは大きな第一歩です。
人によっては、ようやく気付いたという方もいらっしゃるかもしれませんが・・。
幼少期から抱えていた、原因のわからないモヤモヤとした、あの重たく暗いもの。なんだろう、あの急に不安になるような嫌な感情。
そうか。
自分が嫌だったり辛かったりした感情が、今日まで消えることなく、私の中にしっかりと存在しているモノになっているんだ・・。
まずは自分の感情に気づいてあげることで、その感情を優しく抱きしめることができます。
私はこれが、一番の浄化ではないだろうかと思っています。
全く気付かずに何十年もそのままでしたが、ようやく、母から心の距離を置く方向へと向かっていける・・・次のステップへと動き出しました。
負の感情に気づきたくなくて蓋をしていることも多々あるでしょう。
貴女は誰の嫉妬に影響されることもなく、ご自身の人生をのびのびと謳歌してよいのです。
鹿迷館は、貴女が母親の感情の重荷を手放し、自由になるための隠れ家でございます。
それでは、また次の夜にお会いしましょう。


